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四色定理と等価な行列の条件について

与えられた3正則グラフを、位数3の体上のサイクル頂点行列に対応させると、その行列は次のような性質を備える事になる。
(1)各行はサイクルに対応する。
(2)頂点数を2nとするとき、rankは(n+1)となる。実は、全ての行で0でない成分の個数が偶数の場合には、次元が1つ落ちてしまうので、rankが(n-2)になって若干不都合なのだが、このような場合は省く事ができるので、ここでは考えない。
(3)各列は頂点に対応する。
(4)各成分は、対応するサイクルに対応する頂点が含まれる時1または2、それ以外は0とする。1にするか2にするかは、サイクルを一定方向に辿る時に、各頂点でサイクルに含まれない辺がどちら側にあるかで決める。1つのサイクルでルールが共通でしていれば、サイクル毎にルールが違っても構わない。
(5)各列には2個又は3個の0でない成分がある。2個になる列は、グラフの外周部のサイクル上の頂点である。
(6)任意の2行の間で、同一列の成分が同時に0とならない箇所は、もしあればちょうど2箇所である。この条件は2面が1辺で接している事を表している。実はそうではないグラフも存在するのだが、省くことができるので、ここでは考えない。
(7)任意の行で、0でない成分は2箇所以上でなくてはならない。実のところ、2辺国と3辺国はそれらを取り除いたものと等価なので、実際には4箇所以上がのぞましく、四色定理の事だけ考えるなら、5箇所以上でなければならない。
(8)成分が0とならない箇所が6箇所未満である行が少なくとも1つ存在する事。
(9)任意の2頂点間をつなぐようなサイクルのチェーンが存在する。これがないと、連結でなかったり、連結でもいわゆるカットエッジが存在したりすると、そもそも辺3彩色ができなかったりする。
これらの性質を具備する行列が四色定理の証明に寄与するためには、この行列が次のような性質を満たす事が、必須となる:すなわち、
(n-1)列まで対角化した時、対角化されなかったn行n列の正方行列が、対角化の仕方によらず必ず正則行列となる事。
これがもしエレガントに証明できれば、四色定理はエレガントに証明される。
…なんかいろいろ書き足しているうちに、この条件自体があまりエレガントでなくなってきたよ。
(追記)
実は、次の二つの条件だけで充分でした:
(1)rankが(n+1)である事
(2)各列について、互いにスカラー倍となる列は1個までである事
奇数サイクルを含む3正則グラフのサイクル頂点行列はこの条件を満たします。
つまり、四色定理はエレガントに解けると思います。□